私の車の鍵。

事務所の鍵。

事務所のメイルボックス。

そして家の鍵4つ。

夫の車の鍵。

一つ一つ手放していくたびに、まるで、メタファーのように複雑な思いも離れてった。

期待と不安。

焦燥、僭越、後悔、怒気そして疲労。

全部超えたところで寂しさと未練。

そして25年間一緒だったキーホルダが裸になった時、心も流されたように空っぽに。

50歳で、全て軽くなりました。


25年間、もつ鍵がなくなったのは初めて。鍵は何かに属してる印なのだと思った今回。
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アメリカのキッチンで最後に作ったのが、知的で各国のお料理を作られるMchappykunさんのチェリーの赤ワイン煮。いつも支えていただいて、ありがとうございます。毎年夏になると常備する私のデザート。さすがに日本では作れそうにありません。チェリーのお値段を見てびっくり。
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GINZA SIXでの本屋さんは随分高級な古本を置いているのですから、足繁く通ってしまいます。日本はどこでも勧められるポイントカード。「何かいいことありますか?」その答えが要するにここで買い物をすることで、ここで還元されると言うものだから。それを消費者の私が管理して、御社が買い物内容の情報をつかみ、そして還元の為にまたこちらでお金を落とすんですでも、、やめときますと言ったら随分びっくりされていました。


息子も同じ道をたどりました。最後はスッキリ友人にもお別れを言って、ヤブ様にも「家族だから、一緒にいこう」とすっかり乗り越えたようです。


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time is cheap.

さあ、どこから始めましょうか。

どこへ行ってもぶち当たる壁。

携帯電話の契約だって、無意味に重複される書類。

番号取りの男性、紹介されたセールスの可愛いお嬢さんの次はまた可愛い契約のお嬢さん、そして質問があればその都度、お上の方に確認すると消えていく。

この段階で時間の消費にめまいがする私

セールスの方が全て捗ってくれると思っている私は全ての状況をお話ししたのに。

その後4時間半。

たった2台の携帯電話契約、5人以上の人件費に莫大な契約書、そして繰り返される丁寧な形式。

この国は時間の価値が低いのだ。

体面や形式の方が時間より重みがあるのだ。

Time is cheap in this country.


10日間の成田での係留期間を経て、東京の我が家にたどり着いたヤブ様。混乱の御心は察しできません。頑張りました。
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生活が落ち着かなくとも、まず食。夫は4月から一人で日本に住んでおりますが、大好物の豆腐。
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歩いて10分の東京タワー。全く現実感なしです。
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たった3週間、すでに思考することが拒絶されるようです。あ、ちなみに携帯電話の契約5時間かかりました。



行ってきます。


車も手放しました。

家も売却しました。

家具も売りました。

靴コレクションも、そしてバッグも。

人間様と同じ航空券を用意したヤブ様と。

「ビジネスクラスに乗れないのはお前のせいだ!」とこの猫に罵る息子と。

さあ日本です。


空っぽになった家にお礼を言って。
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この4ヶ月、寝ずに動いた私、記憶がすっぽり抜けております。
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家を手放し、ポートランドのコンドに移動。人間、計画を立てるものではありません。。この期間に計画した自分へのケアは、次々起こる思いがけない諸事で全て台無し。もう白髪を染めるのもやめました。
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猛暑のポートランド、夜の10時でも水遊びをする息子。彼もこの4ヶ月、この混乱によく付き合いました。
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何度、優しいみなさんにお別れ会をしていただいたんでしょう。毎週お呼ばれして、強く優しい言葉をふりかけてくださった格好良い女性の皆様、本当に本当にありがとう。最後の週末、敬愛する友人がドンペリと一緒にお泊まりに。彼女、私たちを出発当日空港まで面倒をみてくださる、心底優しくて格好良い。

一人ではできなかったこの移動、沢山の方に助けてもらったから、二人と一匹、飛行機に乗り込めることができました。感謝。


Estate sales

パンクして乗っていない私の古い自転車をガレージで見ながら、

「これも売るの?」もう2、3年の付き合いになるハンデイマンの彼。

「9割以上は処分するから、もちろんよ。」

「いくら?」

正直でよく働く彼、勉強が嫌いだったから良い仕事に就けないけれど、頑張ってビジネスを少しずつ上げていきたいといつも言っている。

「タダで持っていいよ。それから小さなお子さんがいるでしょ、他に欲しいものがあったら持って行ってね。」

気まずそうに子ども用の自転車と椅子を持って帰った。

3ヶ月かけて家のすべてを整理した私。

Estate Sales業者さんは繊細で優しい方だけれど、洗練されていないのだろう、市場価値が少しずれている。

さあ、セールスの前日、業者さんが顧客を我が家に連れてきた。

ブリーチされたブロンド、年齢は私と同じぐらいだろう。着飾った宝飾品もいやらしい。

あれもこれも欲しいと言った彼女、市場の10分の一の値段を恥じもなく提示するから、その厚化粧は恥顔を隠しているのだろうか。

「私の別荘にね、欲しいのよ。特にこのソファー、$1500でどう?だって中古だし、、、海外に引っ越しでしょう。?私のお金受け取った方がいいわよ。」

不動産屋に罵られ、車のバイヤーに罵られ、この3ヶ月間、私の選択してきたものを全て罵られ、疲労を越した私の脳細胞はもう動かず。

「あなたに売るんだったら裏庭で焼き放ちます(I rather burn it in my backyard than selling to you.)」

口がすべりました。

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引越し荷物に、保管荷物、そして売りに出す物、処分する物。とにかくものがあります。

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私のオフィスもこの様子。
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そしてリビングも。
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友人と別れなければいけない息子。毎週友人がお泊りに来ます。もうお皿もないから、ペーパープレートでBBQを使ってハンバーガーを作るのが日課。私は飽きました、、、。


優しいEstate Salesの業者さんが半泣きで、「落ち着いて落ち着いて!彼女が侮辱しているのは明らかだから、、、」と私を止めてくれました。けれど、次の日もう少し出すからあれ欲しいと電話してきた彼女。人間の質はここに出ます。





I will really miss you.

「つけられてるな」

ぴたりと後ろについたかと思うと横に寄せようと、赤い車。

高速を降りてもついてくる。

そして止まった信号、横につけた車の窓が開いた。

"I LOVE YOUR CAR!!!!!!" (格好良い車!)

と叫びながら手を振ってきた若いアメリカ人女性。

"That is why you are following me? " (そうか、それでついてきたの?)

"YES!!!"

と言って去って行った。

いかにもアメリカ。

がさつで、大雑把で、感情的なアメリカ。

だけど、大らかで親和的でそしてOutcastがOutcastとして生きていけるアメリカ。

I will really miss you.

息子からの母の日にはお手製のカード。息子の子供夕食に飽きてしまった私は、常時用意してある野菜やその他ものロモロをBowlに盛って食べる毎日。アメリカ版作り置き食です。
IMG_3358_convert_20170530021239.jpgワシントン州、そしてポートランド市のチェストーナメントでもトロフィーを獲得してきた息子。これも日本に持っていくそうです。
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そしてこの風景も。現実化してきた日本引越し。感傷的ではない私が、未練がましくやっぱりアメリカにいたい。
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友人がお心使いしてくださって、ポートランドの香りがする贈り物を届けてくださいました。ポートランドの物をと考えてくださったんだなと、その気持ちが本当に嬉しい。ありがとう。


石橋の存在だって確かめずに先に飛んでしまう私。今頃現実に直面しました。